読書録(11-15冊目)

ネットワークはなぜつながるのか

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ネットワークの知識が0だったので読みました。HTTPやTCP/IPイーサネットルーター/ハブの内部構造、プロバイダーやサーバーなど多岐にわたる話がされていました。割とハードウェアに近い話が多くて読むのが少しつらかったです。

理論から学ぶ データベース実践入門

理論から学ぶデータベース実践入門 ~リレーショナルモデルによる効率的なSQL (WEB+DB PRESS plus) | 奥野 幹也 |本 | 通販 | Amazon

RDBも雰囲気しか分かっていなかったので読みました。集合と論理の話から入って正規化や直交化の話をした後、実際のデータをどのように扱うのか解説、という内容でした。SQLに慣れていることが前提だったのでこれも読むのがややつらかったです。

現代思想 反出生主義を考える

現代思想 2019年11月号 特集=反出生主義を考える ―「生まれてこない方が良かった」という思想― | 森岡正博, 戸谷洋志, D・ベネター, T・メッツ, 島薗進, 小泉義之, 加藤秀一, 木澤佐登志, 橋迫瑞穂 |本 | 通販 | Amazon

「自分は生まれてこない方が良かった」という思想に個人的に少し興味があったので読んでみました。反出生主義はデイヴィッド・ベネターが中心になっているようで、ベネターの論考の翻訳記事にそこそこの誌面が割かれていました。

今まで昨今の反出生主義のイメージとしてはあまりにも生きるのが苦しい人々が「自分は生まれてこない方が良かった」という切実な体験を抽象化して成立したものだと勝手に勘違いしていましたが、どうやらそうではないようです。ベネターは「その生が始めるに値するかどうか」を快/苦の2値、もしくは快苦の一軸のみを持った量的な指標で評価しているようですが、個人的には人生には質的に異なる快や苦があると思っているので些か単純化しすぎではないかと思っています。

また、ベネターにとって「反出生主義」は「死亡促進主義」ではないようです。つまり人生が「始めるのに値するかどうか」と「継続するに値するかどうか」は異なるものとして扱っています。ですがいまだに僕の中で「始めるには値しないが継続するには値する生」というものが具体的に存在するのかよく分かっていませんし、死が害であるということへの説明も腑に落ちていません。

ベネターへの批判的記事が2/3くらいある一方で、変わった視点からの考察記事もいくつかありました。ロボット倫理や仏教学、宗教学といった視点です。同じテーマについて延々議論されているのでこういった変わり種は楽しく読むことができました。

最後に、ベネターの思想は「今から存在するであろう人のためを思って」いるにもかかわらず「その人の人生の価値を判定しているのは現在存在している人間である」ことに疑問を持ちました(もしかしたら理解していないだけで本書で議論されているかもしれません)。結局無条件に出生を害悪と判定するのでいいんでしょうか。医療などの現場で反出生主義が拡大解釈されて「価値のない生に限って出生しなくてよい」などとされないか少し心配です。

現代思想 ワクチンを考える

現代思想 2020年11月号 特集=ワクチンを考える――免疫をめぐる思想と実践―― | 中村桂子, 山内一也, ロベルト・エスポジト, 美馬達哉, 岡崎勝, 香西豊子, 橋迫瑞穂, 浜田明範, 宮﨑裕助 |本 | 通販 | Amazon

現代思想の出版社(青土社)のページを見ていたら目に入ったのですぐに買ってしまいました。

COVID-19やHPVワクチン問題といったホットな話題が扱われていて非常に面白いです。COVID-19の話とかは一過性のものなので(そう信じたいですが)「今」読んで欲しい1冊だと思います。また、反出生主義と違って医学的な話が多いので読みやすく感じました。反面、医学や生物学にあまり詳しくない人は少し読みにくいかもしれません。

インターネットを見ていると「ワクチンの有効性に対する事実を適切に伝えればワクチンの有効性を分かってくれる」と思っていそうな人がたくさんいるのですが、僕はその点に少なからず疑問を思っていました。それで解決するならなぜ7年も積極的接種勧奨が差し控えられているのか。

「なぜ医学的事実を積極的に伝えているのに状況が改善しないのか」という問題は純粋な医学の範疇ではないと考え、違った視点からワクチン問題を考察している文章を求めていました。そこでこの雑誌を見つけたわけです。

また、「ワクチンの効果は常に統計で語られるが、ワクチンの副作用は常に個人に降りかかってくる」。この乖離について論じている文章は比較的多かったように思います。

面白いので、ぜひ。

Web API The Good Parts

Web API: The Good Parts | 水野 貴明 |本 | 通販 | Amazon

所用でWeb APIを設計する必要が出てきたので勧められて読みました。前提知識がそこまで必要ないので読みやすかったです。出版が2013年でやや情報が古く感じるのが難点。