読書録 (1-5冊目)
ここ2-3週間で5冊ほど本を読んだので記録しておこうと思います(こういうのは大抵続かないけど始めるだけで半分えらいので)
1. 標準精神医学 第7版 (医学書院)
実はこれを読むのは2回目ですが、一読して教科書を全部暗記できる訳はないので2回目でも新たな学びがたくさんありました。
学生向けの教科書だけあって、医療面接の基本から解説がしてあったり込み入った細部には踏み入らなかったり非常に読みやすいです。
教科書の通読なんてどうせ忘れるからあまり意味がないと思っていましたが2周読むと基本ぐらいはなんとなく分かるようになった(気がする)ので通読も悪くないなと思っているところです。
大学の先生も学生がまず読む教科書として勧めているので精神科に興味を持たれている方は手にとっても損はないと思います。
2. 人にやさしい医療の経済学: 医療を市場メカニズムにゆだねてよいか (森宏一郎)
来週から公衆衛生学実習で医療経済をやるので参考になりそうな概説本を読んでおこうと思い手にとった本です。
Twitterのフォロワーに教えてもらいました。Twitter万歳。
大前提として医療資源は個人的なサービスなのか、公共的なインフラなのかという議論から始めて(著者は後者の立場)、それぞれの場合に適切な医療政策がどのように異なってくるのかを論じています。
最終的な結論としては現在の医療は市場メカニズムを出発点にしているのでその欠点を補うのは公共的政策であって市場原理主義ではないということだったと思います。
小さくて薄い本なので読みやすいかと。
3. 本当にわかる精神科の薬はじめの一歩改訂版 (稲田健)
先ほど紹介した標準精神医学だけでは具体的な薬剤の種類、名前(一般名と商品名)、処方の実際などが分かりづらかったので買った本です。
結論からいうとこれを一読しても精神科の薬が完璧に分かるわけではないです(これはこの本が悪いのではなくて単に精神科の薬が多すぎるのが悪い)。
日本で承認されている各薬剤について簡潔にまとまっているので辞書的に引くのもアリだなと思っています。
4. 中井久夫著作集1 働く患者 (みすず書房)
時系列になっているので第1巻は1960-1980年代のエッセイや論考が多いです。
詩への造詣が深く、随所に詩の話が出てきます。
生物学的精神医学とは異なる視点の話が多く、参考になります(そもそも抗精神病薬が発見されたのが1950年代だったと思うのでその時代としては当たり前ですね)。
11巻全部読むのに何年かかるかなあ.....(本を読むのが遅い)
5. 精神疾患と心理学 (ミシェル・フーコー)
これはまだ読みかけの「精神医学の科学哲学」(レイチェル・クーパー) で引用されていたので興味を持って買いました。
読んでみた正直なところ、ほとんど分からなかったです......(悲しい.......)。
第一部と第二部に分かれていて、「狂気の位置付けが歴史と共にどう変わってきたか」という僕が読みたかった話は第二部に書かれていました。と言っても明確に分かりやすい形で書かれてはおらず、読みにくいなあと思いながら読みました。
もっと文章と格闘できる気力がついて再チャレンジする日がくることを願っています......。